「どうすれば愛しあえるの」

2018年 5月3日-5月7日

宮台真司 二村ヒトシ

 

◼️性愛能力の劣化

 人々の性愛能力が劣化している。恋愛に対する姿勢の中心が、自己実現・承認や損得感情となってしまっている。恋人との関係を、自分の社会的ステータスや人生設計の中でしか捉えていない。自分の「心の穴」を埋めるためにしか付き合っていない。

 なぜ、このような状況になってしまったのだろうか。

 社会的価値観が人々の思考に浸透しすぎたからではないだろうか。それは、損得勘定・ポジショニング・法遵守などだ。こういった思考は、「社会の中」でのみ適用されるものだった。性愛や学びなどは、「社会の外」だったはすだ。しかし、文明化の進行により、それらが「社会の中」に留められてしまった。

  その結果、性愛は自己実現・自己承認のツールになりさがってしまったのだ。

 

◼️コントロール型恋愛

 性愛は、相手の感情を自分の心に映し、同じ感情に感染する、という「シンクロ」体験だった。

 しかし、見せたいところだけをみせ、見たいところだけをみるSNS的コミュニケーションの広がりによって、人々の感情は劣化している。

 感情の劣化した人々は、性愛にビジネスマインドを持ち込んでしまう。相手を、シンクロすべき人格ではなく、コントロールすべき物格として扱ってしまう。自分の心の穴を満たすモノとしてしか捉えていない。

 「恋愛は営業と一緒」という奴。「ラインの返信を必ず求める」奴。

 しかし、恋愛は本来、法外の混沌であり、言語外の世界なはずだ。

 

◼️このクソ社会をどう生きるか

 あらゆる事柄を、ビジネス用語で捉えようとするこのクソ社会。どう生きていくか。

 ラカンは人間を3タイプに分ける。①神経症者②精神病者③倒錯者。

 ①は社会的価値観に縛られて。日々を我慢して生きている人。

②我慢しきれなくなり、徐々におかしくなった人。

③社会に適用しているフリをしている人。

 ①の人のように、社会的言語に縛られて、言語の自動機械と化してはいけない。自分は社会的価値観の中に生きているということを自覚し、倒錯者として、メタ的に生きることが自由へつながる。

 

◼️モテるためには?

・自分について多面的に考える

・一人で幸せになろうなど、無理であると知る

・自分の中の女性と対話する