「株式会社化する日本」

平成という時代に、日本はどのように変化し、どこへ向かっているのか。政治の観点を中心に、内田樹鳩山由紀夫・木村朗が議論する。

 

この書籍には、さまざまなテーマが盛り込まれているが、もっとも印象深いのは、日米関係についてだ。

 

平成における日米関係とはどのようなものだったのか。戦後、自力で主権を回復する足がかりのなかった日本は、対米従属を通じて自立を狙うという、屈折した立場をとる。

しかし、バブル期の経済でもアメリカを追い越すことはできず、民主党政権での対米自立的な政策は成功しなかった。

その後うまれた長期安倍政権は、対米従属姿勢を徹底している。

 

日本人ならばほぼ全員、日本がアメリカの言いなりなんだろうなというくらいのことは感じている。しかし、対米従属とまでは思っていないだろう。

でも、日米地位協定思いやり予算など、属国としての立場は明確だ。

米軍基地問題を沖縄問題として片付けてはいけない。自国の領土に他国の軍隊が存在するのとはおかしいのだ。防衛的な意味があるといっても、このミサイル戦争の時代にどれほどの意味があるのか。

対米自立を図りつつ、アジアでの他国との共同関係を深めていく戦略を作り上げることができる政党が必要だ