「熱帯」

2019年1月3日 森見登美彦

 

「汝にかかわりなきことを語るなかれ…」

謎に満ちた警句から始まる一冊の本『熱帯』。

その謎に惹かれる作家は、ある日「沈黙読書会」という奇妙な会合で、『熱帯』の謎を語る女性と出会う。彼女が語る物語は、物語が物語を生み、始まりも終わりもわからない。作者が「小説とは何か」という問いに向き合ったこの一冊。読了後は、自分の小説に対す向き合い方も変わるかもしれない。