「融資渉外スキルアップ」

2018年6月1-10日  東出泰雄

 

 私、銀行の営業をしておりまして。日々、法人に営業をかけているのです。そんな私も、入社して早く一年。一年も銀行で働いたのだから、企業に融資の話をしに行くくらいはできるのだろうと思いきや、全くできません。自行の金利すらあやふやな状態です。なぜこんな状態なのか…。自分の不勉強が原因なのは間違いないのですが、別な理由もあるのです。

 それは、銀行における融資業務比重の低下です。いまや銀行は、融資よりも関係会社紹介に力を入れています。紹介手続きや、勉強会に時間をとられ、貸出業務に割く時間が減っているのです。

  融資の基礎は、自分で学ぶしかない…。というわけで、本書を手にしました。

 

◼️資金の種類

 融資セールスするためには、まずどのような資金需要が想定されるのか、把握しておく必要があります。主な区分けは以下の通り。

・経常運転資金

・増加運転資金

・決算資金

・賞与資金

・季節資金

・在庫増加資金

・他行肩代わり資金

・設備資金

 

◼️資金ニーズの発掘

 上記のような資金使途があるとして、ではどうやってニーズが顕在化するのでしょうか。具体例をあげます。

・製造原価に占める、外注費の増加

 内製化により、管理コストダウン・技術蓄積を図る。

 →設備資金・M&A資金

・修繕費が多い

耐用年数が近くなっているため、買い替えや大規模改修の可能性。

 →設備資金

・原材料費の向上

 上昇分だけ、仕入れコストが上がる。安いうちに仕入れておく。仕入先への支払い条件短期間でによりコスト相殺を図る。

→増加運転資金

・経営者からの借り入れがある

 相続の観点から、金融機関借り入れにシフト

→運転資金借り換え

長期金利動向から、変動・固定管理の切り替え

 金利上昇傾向であれば、変動金利から固定金利に切り替えることによる、将来金利コスト抑制需要が想定される

→他行肩代わり

売上債権回転期間の長期化

 販売先との支払い条件変更の可能性。売上増加もありうる。

→増加運転資金

・決算1-2ヶ月前

→決算資金